新しい内容だけが正義じゃない! フォローアップ研修の考え方
皆様、こんにちは! 人財育成と営業支援で日本の発展に貢献する企業、人援隊です。 いよいよ3月に突入し、年度末が迫ってまいりました。 お仕事の内容にかかわらずとても忙しい時期ではありますが、経営や人事業務に携わる方にとっては特に忙しい時期。 焦って無理をして体調を崩さないよう、一つ一つコツコツ取り組めればと自戒する弊社ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか? さて、今回の瓦版では、フォローアップ研修についてです。 新年度の計画でフォローアップ研修の企画を考えないといけない方もいらっしゃると思いますが、そんな方々が一つ一つコツコツ取り組めるようなヒントをお届けできればと思います。 ぜひ最後までお目通しください! (本メールは弊社セミナーにご参加いただいた方、 お名刺を交換させていただいた方へお送りしております。) ~今月の目録~ ①新しい内容だけが正義じゃない!フォローアップ研修の考え方 ① 新しい内容だけが正義じゃない!フォローアップ研修の考え方 3月。 年度末の対応で忙しい人事業務ですが、加えて新年度の計画と4月の準備に追われている方も少なくないかと思います。 企業様や担当者様によっても状況はまちまちだと思いますが、人材育成の年間計画を用意している企業様では、フォローアップ研修の話題も上がってきているかもしれません。 とはいえ、4月は新入社員の受け入れや、人事異動、人事評価業務の締めなど、新年度初頭のやるべきことがてんこ盛りで、フォローアップ研修はいったん日程だけ引いて、内容はおいおい考えるというパターンもよく見受けられます。 今回は、フォローアップ研修の内容を検討するにあたり、ヒントとなる情報をお伝えします。 「毎年日程を確保しているけど、どんな内容を実施しよう?」 「フォローアップ研修も年次が進んでくるとネタがなくなってくる…。」 「各現場によって課題がばらばらで、どんな内容にすればいいかわからない!」 そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ参考にしていただければと思います!! そもそもフォローアップ研修とは…? 新入社員研修と同じくらい、世の中でよく実施されているフォローアップ研修。 名前は一緒でも、取り組みは千差万別、各社それぞれいろいろな内容を取り扱っています。 そもそも、フォローアップ研修とは何なのでしょうか? リクルートマネジメントソリューションズさんの「人材育成・研修・マネジメント用語集」によると、フォローアップ研修とは、”研修が終了してから一定期間ののちに、同じ受講者とトレーナーが再び集まり、実施される研修のこと。”と記載あります。 そのため、新入社員研修などを終え、現場配属されてからしばらくたったのち、1年目の社員を再度集めて行う「1年目フォローアップ研修」や、初めて自分より後輩の年次が現場配属されてくるタイミングで行う「2年目フォローアップ研修」、自分の業務はある程度できるようになり、これからは後輩やチームへの貢献が求められるようになる「3年目フォローアップ研修」など、入社年次での研修が多くあるのです。 もちろん、研修終了後、一定期間ののちに同じ受講者、トレーナー(講師)が再び集まるという意味では、年次研修以外でもフォローアップ研修は存在します。 初めて管理職になる受講者が集まった新任管理職研修を受講後、現場で試行錯誤したのち、再び集まる「新任管理職フォローアップ研修」なんてものもあります。 このように、フォローアップ研修とは、下記の条件を満たすものが多いです。 ・ある研修を受講した受講者が対象 ・ある研修受講後、一定期間経過したのち、同じメンバーを集めて開催 ・前段の「ある研修」の内容を踏まえている or 次のステップを示している 新しい内容だけが正義じゃない!フォローアップ研修の考え方 フォローアップ研修が何なのか、改めて振り返ると、フォローアップ研修の考え方も見えてきます。 フォローアップ研修では、毎回同じ受講者が集まるので、前回の内容とは違う内容を考えなければいけない、という誤解が生まれやすいですが、そもそもフォローアップ研修の在り方を考えると、必ず新しい内容を実施しなければいけないわけではないということに気づかれたと思います。 フォローアップ研修を考える際に、優先すべきことは、 ・前段の「ある研修」の内容を踏まえている or 次のステップを示している ことです。 なので、一定期間経過したのち、「ある研修」に参加した受講者が、「ある研修」の内容を忘れている・実践できていない、ということであれば、同じ内容を実施してしかるべきなのです。 新しい内容を考えるのであれば、 ・前段の「ある研修」に参加した受講者が、「ある研修」の内容を実践できているか ・前段の「ある研修」の内容が実践できるようになったら、次のステップがあるか という2点を先に確認しましょう。 受講者が研修で学んだ内容を実践できていて、次のステップもない内容であれば、無理にフォローアップ研修を企画して、労力を増やす必要もないのです。 ただし、1つだけ、上記2点をクリアしていてもフォローアップ研修をやる甲斐がある場合があります。 それは、「受講者自身が前段の『ある研修』の内容を実践できているかどうか振り返る時間を作ってあげたいとき」です。 スティーブン・R・コヴィー博士の著書、「7つの習慣」では、緊急度が低く、重要度が高い第2領域を大きな石として、優先度を上げるべきだと書いてありますが、普段業務に追われていると、なかなか振り返りや自身を省みる時間を確保できません。 また、業務に取り組みながら、「これはやった方がいいけど、ちょっと余裕なくて今はできないな…」と思うものがあると思います。 一般的に該当するといわれているのが、「目標立て」や「立てた目標に対する振り返り」などです。 これと同様に、普段業務に追われていると、受講者自身は、自分が「ある研修」の内容を実践できているかどうか、振り返る余裕がないかもしれません。 なので、上司や会社側が「できていそうだ」、「『ある研修』の次のステップはないし、このまま業務に励んでもらいたい」と思っていても、あえてフォローアップ研修を実施し、受講者自身が第2領域に注力する時間を提供してあげることで、受講者の成長につながる有意義な取り組みにすることができるのです。 フォローアップ研修を経て段々と成長していけばいい 最後に、フォローアップ研修の取り組み事例について一つご紹介いたします。 とある企業様では、新入社員研修の終盤に、現場配属後の目標とアクションプランを考える取り組みをされていました。 ただ、大きな問題があります。 配属前に、新入社員自身が想像で書いた目標とアクションプランは、精度が低く、現場であまり使えないものであることがほとんどだったのです。 皆さまの会社ではいかがでしょうか? 研修で目標やアクションプランを作成したものの、あまり使えないで記憶のかなたに忘れ去られてしまう、なんて現象をよく見かけるでしょうか? とある企業様でも、まだ現場を知らない新入社員が作る目標とアクションプランは、現実と乖離することが少なくなく、使えないまま捨てられるか、あるいは研修中に講師が口を出してコントロールしてしまうというパターンが多く見受けられました。 人に定められた目標になると、責任や意欲は芽生えにくく、時間をかけた割にいい取り組みにすることができなかったのです。 そこで、とある企業様では、新入社員研修時に立てた目標とアクションプランの是非には重点を置かない、という選択をしました。 目標とアクションプランを作ることではなく、その後のフォローアップ研修で振り返りを行い、自分で目標とアクションプランを再設定する体験をすることに重点を置き直したのです。 1年目フォローアップ研修にて、改めて受講者自身が立てた目標とアクションプランを見て、振り返りの時間をとる。 達成・実行した理由や要因を事実ベースで洗い出す、あるいは達成・実行できなかった理由や要因を事実ベースで洗い出す。 この際、外的要因も多く出てくるので、これについては次目標とアクションプランを設定する際に考慮して、より現場に沿った精度の高い目標・アクションプランにする。 内的要因はしっかりと修正改善して、次に生かす。 こうした振り返りを経て、新しい目標・アクションプランを作り、実行にチャレンジするという取り組みになりました。 さらに、2年目フォローアップ研修でも、全く同じ取り組みを行っています。 こうして、研修終了時によい目標・アクションプランを設定することではなく、次回のフォローアップ研修で良いものを出す形に変え、フォローアップ研修を経て段々とよくなればよいという体制づくりとして、フォローアップ研修を活用しています。 新入社員研修時の目標・アクションプランは、フォローアップ研修の教材になる、という意味では、「『ある研修』の内容の次のステップ」になりますし、「受講者自身が自身を省みる第2領域の取り組みになる」という意味で、フォローアップ研修をやる甲斐はあります。 毎回同じ内容でも、よいフォローアップ研修にすることはできるのです。 いかがでしょうか? 毎回フォローアップ研修のネタに困る、という方、 これからフォローアップ研修の内容を考えないといけない方、 それぞれ、今回の「新しい内容だけが正義じゃない」というフォローアップ研修の考え方が、良いヒントになれば幸いです。 人援隊では、様々な内容のフォローアップ研修を実施しております。 もし、フォローアップ研修について、情報が欲しい、改めて考えてみたい、細かい話はどうでもいいからとにかくネタが欲しい、というご要望がありましたら、お気軽にお問い合わせください!! 今号も最後までお目通しいただきありがとうございます!次回の瓦版もどうぞよろしくお願い致します。